非火薬組成
- HOME
- 非火薬組成
当社では一般産業火薬類の他に非火薬組成である破砕薬も扱っています。
破砕薬とは、
産業火薬では必ず付きまとう火薬類取締法の適用を受けません。
そのため、威力は産業火薬に比べると弱いですが、簡単な試験や講習を
受けるだけでどなたでもお使いいただけます。
ここでは、破砕薬(非火薬類)の種類をご紹介いたします。
Ⅰ. CCR(コンクリート破砕器)
CCRとは
CCR(CRACKER FOR CONCRETE AND ROCKの略)とは、コンクリート構造物や岩盤を破砕するための破砕器のことで、旭化成の登録商標名です。
市街地、道路、鉄道などの近辺で安全に破砕作業ができるため、ご好評を得ています。
CCRの特長
- コンクリート構造物や岩盤破砕の際、音、振動、飛石が軽減されます。
- 住宅地やビル街での破砕に最適です。
- 振動は爆薬の1/5~1/10程度とはるかに小さくなります。
- 工期が短縮できます。したがって、労働力を節減できるうえに防護の費用も少なくてすみます。
取り扱い
- 薬筒と点火具が一体となって、コンクリート破砕器(火工品)として取り扱われます。
- CCRの取り扱い時には、コンクリート破砕器作業主任者を選任して行うことが必要です。
- 1日150個以下の消費の場合は無許可消費ができます。
段発CCR
CCRにも段発(2~3段)が加わり、より効果的な破砕が可能になりました。
CCRタンパー
水硬性急硬モルタルを紙容器に充填、カプセル化し取り扱いやすくした高性能タンピング材で、水に浸け吸水させタンピングすると30分後には200kgf/cm2以上の圧縮強度に達し、高いタンピング効果を発揮します。(気温20℃)
Ⅱ. ガンサイザー(低振動破砕薬)
ガンサイザーは、岩石、岩盤、コンクリートなどの脆性体を薬剤の熱分解時に発生する水蒸気圧により、瞬時にしかも低振動状態で破砕します。
破砕作業手順は発破工法と類似しますが、当破砕薬剤の使用に関して火薬類取締法の適用は受けません。
ガンサイザーによる破砕は、せん孔内に破砕薬剤を装てんし、湿潤砂などでステミングした後、破砕薬に専用着火具で遠隔着火すると破砕薬中の特殊発熱剤の酸化還元反応による熱により、破砕薬に組成混合した化合物がごく短時間(30~50ms)で蒸気状態などに変化し、この時生じる蒸気圧、ガス圧により、岩石、岩盤、コンクリートなどの脆性体を低振動状態で準動的に引張破砕するエ法である。
ガンサイザーは、財団法人土木研究センター発行の土木系材料技術・技術審査照明報告書(技審証第0101号)により、以下の審査証明を受けております。(証明書抜粋)
- 引張強度が150kgf/cm2程度までの岩石、岩盤、コンクリートを瞬時に破砕できる。
- 破砕する場所の環境温度(-15℃~+75℃)に左右されることなく一定の破砕性能が発揮でき、さらに運搬、保管、または取り扱い時の温度、振動、または衝撃により影響を受けない。
- ガンサイザーによる破砕時に発生する地盤振動は、火薬類による発破工法と比較し、同等の破砕効果となる薬剤量での破砕を行う場合において、振動速度値で50%程度の値となる。
破砕薬剤ガンサイザーは、反応残留しにくい組成となっているが、万が一に備え、残留薬探知ひもが取り付けてあるため、もし、残留破砕薬が発生した場合にも、その発見が容易である。
尚、残留破砕薬が発生した場合は、ご使用上の注意書にしたがい処理する。
Ⅲ. ブライスター(静的破砕剤)
ブライスターとは
破砕作業には危険性と振動、騒音、粉塵などの公害問題の発生がともないます。これらの問題を解決するのが静的破砕剤ブライスターです。
破砕対象となる岩石や鉄筋コンクリートにあらかじめ孔をあけ、その中に水で練り混ぜたブライスターを充填するだけで、静かにしかも計画的に亀裂を発生させ破砕します。
発売以来、経験豊富なノウハウの蓄積と数多くの使用実績を有するブライスターは、これからも低公害破砕分野で貢献します。
安全に使用していただくために
ブライスターを使用する前に、必ず本カタログ記載の使用方法・安全取り扱い注意事項をよく読み、理解した上でご使用ください。
また実際の作業を行う方にも必ず事前に使用説明を徹底して行ってください。
噴出現象のために眼や身体に大けがのおそれがあります。噴出現象を発生させないように十分に注意し、必ず作業方法、安全取り扱い注意事項を守って使用してください。
※噴出現象とは
ブライスターと水との反応によって発生する反応熱の蓄積により、孔内温度が上昇し、孔内の水が急激に気化します。
その水蒸気の蒸気圧により、充填された孔内のブライスターが勢いよく孔口より噴出する現象です。
噴出物は高温かつ強アルカリ性であるため、顔を直撃した場合、失明、角膜損傷、視力の低下、火傷、炎症などの重傷を負うことがあります。
ライスターの特徴
- 低公害で破砕
ブライスターの膨張圧力によって亀裂が発生するため、騒音・振動・飛石がほとんどなく、低公害で破砕ができます。 - 取り扱いに資格が不要
ブライスターは火薬類ではありません。取り扱いに関しては法的規制を受けません。 - 施工は簡単
ブライスターを水で練混ぜ、孔へ流し込むだけでよく、簡単に作業ができます。
※パックは水に浸漬して使用します。 - 破砕作業の効率化
ブライスターで亀裂を発生させることにより二次破砕の作業効率を大幅に向上できます。また、二次破砕時の振動・騒音レベルの低減と発生時間の短縮もできます。 - 計画破砕・水中破砕も可能
穿孔パターンにより計画的な形状に破砕ができます。
また、水中破砕も可能です。
Ⅳ. パワーブライスター(静的破砕剤 速攻タイプ)
パワーブライスターとは
静的破砕剤のリーディングカンパニーである太平洋マテリアル株式会社は破砕工事の様々なニーズに応えるべく、新しい速効型タイプの破砕剤“パワーブライスター”を開発しました。
“パワーブライスター”はこれまでの静的破砕剤に比べ、より短時間に、よりパワフルに破砕します。
緊急工事、災害防除工事などに威力を発揮し、より効率的な破砕工事を可能としました。
安全に使用していただくために
噴出現象のために眼や身体に大けがのおそれがあります。噴出現象を発生させないように十分に注意し、必ず作業方法、安全取り扱い注意事項を守って使用してください。
※噴出現象とは
パワーブライスターと水との反応によって発生する反応熱の蓄積により、孔内温度が上昇し、孔内の水が急激に気化します。その水蒸気の蒸気圧により、充填された孔内のパワーブライスターが勢いよく孔口より噴出する現象です。
噴出物は高温かつ強アルカリ性であるため、顔を直撃した場合、失明、角膜損傷、視力の低下、火傷、炎症などの重傷を負うことがあります。
パワーブライスターの特徴
短時間で破砕が可能
破砕時間は1時間が目安となります。
※パワープライスタ一大孔径用、パックタイプは3時間が目安です。
※破砕設計、施工方法、現場条件により破砕時間は変動します。
※岩種、コンクリートの鉄筋量により破砕時間は変動します。
低公害で破砕
パワーブライスターの膨張圧力によって亀裂が発生するため、騒音・振動・飛石がほとんどなく、低公害で破砕ができます。
取り扱いに資格が不要
パワーブライスターは火薬頬ではありません。
取り扱いに関しては法的規制を受けません。
施工は簡単
パワーブライスターを水で練混ぜ、孔へ流し込むだけでよく、簡単に作業ができます。
※パックは水に浸漬して使用します。
破砕作業の効率化
パワーブライスターで亀裂を発生させることにより二次破砕の作業効率を大幅に向上できます。
また、二次破砕時の振動・騒音などの時間も短縮できます。
計画破砕・水中破砕も可能
穿孔パターンにより計画的な形状に破砕ができます。
また、水中破砕も可能です。
ダイナマイトおよび非火薬類の比較表
種別\項目 | 破壊力 | 破砕時の状況 | 安全性 | 防護設備の 簡略化 |
経済性 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
騒音 | 振動 | 粉じんガス | 飛石 | |||||
ダイナマイト | ◎ | × | × | × | × | × | × | ◎ |
CCR | ○ | △ | △ | △ | △ | △ | × | ○ |
ガンサイザー | ○ | △ | △ | △ | △ | △ | × | ○ |
ブライスロー | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
パワーブライスロー | △ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | △ |
注)◎:優れている ○:良い △:やや劣る ×:劣る(または公害あり)
*破砕場所の環境により左右されます。